“父は歩くフラメンコだった、フラメンコのグーグルのような存在”

バルデラマ

伝説のカンタオールフアニート・バルデラマを父にドローレス・アブリルを母に持つバルデラマ(フアン・アントニオ・バルデラマ・カバジェロ)。今風のものを取り入れた曲と昔からの曲との取り合わせやポップとフラメンコという異なるジャンルへの挑戦、カンテと歌謡曲の橋渡し的試みを行ってきたアーティストだ。最新アルバム“モデルナ・トラディシオン”にはそれがよく現れている。ギターにアラブのパーカションと弦楽器を取り入れた演奏、そこに父親を彷彿とさせる歌声がかぶさってくる。父と子はレコーディングの特殊技術によって“ロマンセ・ア・ロ・ヒターノス”をデュエットしているが、これはフアン・バルデラマが生前に録音した曲だ。 続きを読む

“フラメンコはしていないけれど自分たちは世界を結ぶフラメンコの大使”

オホス・デ・ブルホス インタビュー(Dj パンコ)

10年前のデビューアルバム“ベンゲ”からオホス・デ・ブルッホ(以下OBD)はフラメンコと他ジャンルのフュージョン音楽を作ってきた。その発想の自由さでスペイン国内はもとより国際的にも少しずつが認められてきた。アルバム“テチャリ”でグラミーのラテン音楽部門を受賞、精力的に国際ツアーを行って、今スペインの音楽グループで最も世界的に知られている。少しの間バケーションをとっていたがニューアルバム“アオカナ”をリリース。Djであり広報を担当するパンコがニューアルバムやフラメンコについて語ってくれた。 続きを読む

“私の踊りはテクニックとアートのバランスを見つけること”

フエンサンタ・ラ・モネタ インタビュー

燃えるような瞳、激しい踊り、緊張と官能・・・サクロモンテの洞窟からサルスエラ劇場へ。25才にしてフエンサンタ・ラ・モネタは今一番乗りに乗っているバイラオーラ。マドリッドで新作“デ・エントレ・ルナ・イ・ロス・オンブロス”を発表する。古きよきものと前衛的なものを結びつける意欲的な作品だ。今を生きる女性たちへのオマージュ、ここでフエンサンタはその存在を主張し続ける。 続きを読む

“新しいもの、今までにないものを作ること。その答えは自分だけのものを作り上げることにある。”

ジェルバブエナ インタビュー

ジェルバブエナ、マドリッドのテアトロ・エスパニョールで3月5日から15日まで新作を発表した。これは第13回ヘレスフェスティバルで初めて発表した舞踊作品“雨”。控えめ過ぎて時々冷たい、という印象を与えてしまいがちなジェルバブエナだが、この作品では感情、思い出、感覚が雨のように降り注ぎ、しみこんでいく。10周年を迎える同舞踊団が新しい地平を開く大胆な作品。メランコリックで内省的・・・フランクフルト生まれ、グラナダで育ったバイラオーラは、他者のコメントから自分を知ることができる、と言っている。このジェルバブエナのことばから彼女の人となりを探ってみよう。 続きを読む

“カルメンはとてもフラメンコな人。一瞬一瞬を本当に生きようとした人だから”

サラ・バラス インタビュー

メリメ、ビゼー、ガデス、アイーダ・ゴメス、ルビッチ、サウラ、アランダの映画・・・カルメンは様々なアーティストのテーマとなってきたが、ここでサラ・バラスが登場する。カディスが生んだ大人気バイラーオーラ、サラ・バラスは彼女ならではのカルメンを作り上げた。いかにもスペイン風に作り上げられた物語から大きくはなれ、フェミニンで現代的、人間的で、自由なカルメン像を作り上げた。ここでカルメンは権利を主張し、最後の瞬間まで愛に生きようとする。赤と黒の客席(マドリッドロペ・デ・ベガ劇場)は毎晩この舞台を見にきた聴衆で埋め尽くされているが、サラ・バラスはこの新しい作品の秘密を語ってくれた。大掛かりな舞台美術も成功しているが、こけら落とし

(2009年2月12日)の前にすでに入場券3万枚が売れたという。 続きを読む

「フラメンコというのは、自分自身によっぽど深い根がない限り、先を失ってしまうもの。」

カルメン・リナ-レスとのインタビュ- 

カルメン・リナ-レスの声は、疑う余地なしに、最も重要な近代フラメンコの女性の声である。録音に関しては、相当の期間音沙汰なしであったが、舞台に関しては、活発に活動を続けていた数年間の後、この名高いベテランカンタオ-ラは、スペインの誇るノーベル賞(1956)詩人、ホアン・ラモン・ヒメネスへのオメナッヘアルバム、「ライセス イ アラス」(根と翼)でカムバックする。このアルバムは、ギタリスト、ホアン・カルロス・ロメロのデリケ-トな作曲と、エレガントで心温まるカルメン・リナ-レスのカンテの声により、フラメンコが美しいホアン・ラモンの詩の世界へと溶け込んでいく。 続きを読む

“フュ-ジョンやコンフュ-ジョン!…小柄フラメンコ連中に関しては真っ当聞きたくも無い !”

エル・ペレが純粋なカンテについて語る。

マヌエル・モレノ、”エル ペレ”は隠さずにはっきりものを言う。プ-ロ(純粋)で代々昔からのフラメンコを守り、フュ-ジョン、真に創造性の無い芸術、現在カンテに起こる妥協を批判する。幅広い音楽ア-テイストに囲まれ、しっかりと将来を前方に見ながら、”デル デ ベルダ”(本物のやつ)というタイトルのアルバムを出し、彼の根源を探る。

“ギタ-8つとピアノ一台”、いや、7人のギタリストに一人のピアニストが、千一の声を持つといわれるカンタオ-ルに、各自、違う色を与えてくれる。これが極最近のエル ペレだ。 続きを読む

“インタ-ネットってフラメンコの経験や体験を広めて交流するのには最適な手段”

パスカル・ガオナのインタビュ-

パスカル・ガオナについて話せば、フラメンコには、国境とか国旗が通じないということを思い知らされる。フランス生まれの彼は、スペイン舞踊とアルテホンドに魅せられ、フラメンコ文化とそれが生む芸術の秘訣を探しにスペインへ向かった。ラファエル・アギラ-ル、ホセ・アントニオ、アントニオ・マルケス、アイ-ダ・ゴメスの下で踊りながら、唯一の外人として、スペイン国立バレ-団に属すことのできた、この若いフランス人バレ-ダンサ-が今、独自のカンパニ-の創立に挑み、スペイン、マドリッドで、彼の初制作の”Fl@menco.fr”を初公開した。この興味ある題名の裏にはフラメンコとフランスシャンソンのフシオンがサイバネテイックスなスペ-スの中で繰り広げられる、大胆なミュ-ジカルが隠されている。 続きを読む

“僕たちヘレスのギタリストたちにとって、一つの音符には僕らの全人生が反映されているんだ。”

ヘラルド・ヌニェスのインタビュ-

ギタ-は彼が自分を自然に表現できる手段である。6本の弦でヘラルド・ヌニェスは、自身の考えや感情を表す。彼の芸術は完璧だ。今は、現在殆ど誰もタッチしないこともやる。弾いて、発想し、作曲して、極めて優れた才能のある者にしかできない正確さを伴う演奏をする。舞台上、ソナタが彼の唯一の連れとなる独奏をやってのける反面、劇場で若派のギタリストたちを目立たせるため自分の場所をゆずりながらの演奏もできる。フラメンコの精魂と音楽家の心に備わる清らかでオ-プンな聴覚を持ち、あるときはソレアを弾くかと思うとスタンダ-ドなジャズも弾く。しかもいつも、誠実さと真実を失わずに…..。このような彼の要素は、彼を、現在一番優れたギタリストの一人に位置づける。彼の賞賛するサビカスの直接後継者である彼は、最近の上演で、サビカスにオメナッヘを捧げる。 続きを読む

“フラメンコは、ひとかけらためしたら、どうしても全部食べてしまう,甘いお菓子のようなものだ!”

エル レブリハ-ノのインタビュ-

生きるか死ぬかの重大な手術を終えたばかり。まだ腹部内に縫目があり、快復の最中のホアン・ペニャ・エル・レブリハノ。医者のアドバイスには耳を貸さず、彼の最新アルバム ”レブリハノが歌うと、水さえ濡れる”(非常にうまいということの比喩)を発表する力を搾り出した。新作は、ベテランカンタオ-ルが、コロンビアのノーベル賞天才作家の一番良く知られるテクストをフラメンコのパロで表現し、ガブリエル・ガルシア・マルケスに敬意を表するもの。 続きを読む

“自分が必死に守ろうとしているフラメンコの純粋さが失われようとしている。”

ホセ・メネセとのインタビュ―

66歳の年で、ホセ・メネセはピュア-でオ-ソドックスなフラメンコを必死で守り続ける。彼はいかなる革新化やフュ―ジョンにも反対で向関心。ラ プエブラ デ カサジャ 出身のベテランカンタオ―ルは2008年SUMAフラメンコフェテイバルのプログラムに参加する優れたアルテイストの一人である。今回の彼の2つのリサイタルはエンリケ・デ・メルチョ―ルのギター伴奏で行われる。ホセの表現力に富み、ホンドのエコ-で充満した声は会場をフルに響かせ、本来のカンテ分野では最も重要な声を持つ一人であることをまたもや、彼の実演証明してくれるであろう。”彼の音声は言葉の魂を開けては閉め、突然側面を切りつけてさらけ出すカンテだ。彼の声は彼の芯から張り広がる。” (ブラス・オテロ) 続きを読む

「私は生涯を通じ、常に責任を自覚した人間であり、アーティストだった」

El Lebrijano(エル・レブリハーノ)、「フラメンコ、平和のために」

エル・レブリハーノことフアン・ペニャは、国際平和デーを記念してマドリッド(スペイン)で行われる「フラメンコ、平和のために」のイベントを率い、カンテ・ホンド第一人者としての責任と社会的道義を新しい形で示そうとしている。音楽によって、アンダルシアとアラブの人々の友好的な関係を築こうと走り続けて25年。様々なアーティストと数多くのアルバムを作り上げ、今度はノーベル賞を受賞したコロンビア人、ガブリエル・ガルシア・マルケスの作品をもとに、ひとつのアルバムを準備している。 続きを読む

「フラメンコとほかの音楽スタイルを無意識にミックスする。それが Elbicho流」

Elbicho(エルビッチョ)のベーシスト、カルロス・タトが 3rd アルバムを語る

Elbicho のメンバーは7名。しかし新作アルバムのプロモーションを精力的にこなすため、メンバーは一人ずつちらばり、各種マスコミ対応に追われている。そんな多忙の中、エスフラメンコのインタビューに応じてくれるのは、幸運にもベーシストのカルロス・タトだ。現代社会に不可欠なスピードで、3rd アルバム「elbicho VII」を具体的に語ってくれた。簡潔で飾り気のない彼の言葉は、豊かでメスティーソ的な、ニュアンスと音の融合に満ち溢れたアルバムとは対照的だが、自由な精神とアナーキーなハートをもつこのバンドが、世に放った前作2枚のアルバムの切り開いた道を、新作アルバムも進み続けていることをうかがわせてくれる。 続きを読む

「僕の静かなる大地は南のアンダルシア、セビージャ」

フラメンコカンテの現在と未来について、ミゲル・ポベダと語ろう

ミゲル・ポベダは力強くこの世界に踏み出した。1993年、カンテ・デ・ラス・ミナス(ラ・ウニオン-ムルシア)フェスティバルに旋風を巻き起こし、ランパラ・ミネラを含む4賞を受賞した。カタルーニャ出身、若干30歳の若きカンタオールは、フラメンコ界でも珠玉のアルバムとされる「Tierra de calma」でその地位を確かなものとした。カンテの期待の星である。 続きを読む

このアルバムにはとても愛着がある。これが僕の人生最後の仕事だと思う

フアン・アビチュエラがニューアルバム「Una guitarra en Granada」を語る

フアン・アビチュエラはまさにフラメンコのエッセンス、極めてホンドで深い知識を持つシンプルなジプシー、フラメンコ界の重鎮だ。この50年間巨匠たちにギターで伴ってきた。カンテを敬愛する。彼の演奏は芸術だ。息子アントニオ・カルモナ、フアン・カルモナはケタマを結成、孫の一人は弁護士を目指している。アビチュエラファミリーの大黒柱フアンは、「年をとって疲れた」と告白する。舞台から退いた後、“別れの挨拶”の感もあるアルバム「Una guitarra en Granada」を発表したばかり。その謙虚な姿勢がアルバムにも現れている。彼こそ紛れもない「グラナダのギター」なのだ。 続きを読む

「コンサートの緊張感は、スタジオレコーディングにはない躍動感を音楽に与える」

ホセ・アントニオ・ロドリゲスがニューアルバム「Córdoba… en el tiempo」を語る

ホセ・アントニオ・ロドリゲスは現在のフラメンコ界で最も才能あるフラメンコギタリストのひとり。彼のフラメンコはオープンでモダン。その創作的才能により、オーケストラ、バレエ、カルロス・サウラ監督の「フラメンコ」や「イベリア」などのサウンドトラック作曲を行うまでとなった。
その音楽歴も長い。事実若干20歳にしてコルドバ音楽院のフラメンコギターの公認教師資格を取得している。今回の「Córdoba… en el tiempo」はまさに彼のルーツ、コルドバへのオマージュ、多彩なサウンドに溢れている。アレハンドロ・サンスツアーにも参加予定。 続きを読む

「我々は過去を忘れることなく前進する旅人」

ソン・デ・ラ・フロンテラがイダ・イ・ブエルタのフラメンコを語る。

ソン・デ・ラ・フロンテラは現フラメンコ界のパノラマの注目株。ポップス、ロックなど他のジャンルの音楽に近いがルーツを失わないフラメンコ、がコンセプト。トレス・クバノを導入したパイオニアである若きグループ「ソン・デ・ラ・フロンテラ」はディエゴ・デル・ガストールの路線をゆき、モロンのトケ、カンテ、バイレをクリエイティブに、現代風に演出しようと試みている。
「Cal」はその好例ともいえる最新アルバムだ。メンバーのラウル・ロドリゲス(トレス・クバノ)、パコ・デ・アンパロ(ギター)、マヌエル・フローレス(コンパス、バイレ)がフラメンコの秘密を明かす。なお5月18日にはマドリッドのスマ・フラメンカフェスティバルにてコンサートを行う。 続きを読む

「自分のことをフラメンコの革命児だと考えてほしい」

フラメンコバイレのトップをゆくホアキン・コルテス

多くのファンと少数の敵をもつホアキン・コルテスはフラメンコバイラオーラの代表だ。ヒタノバイレについてのパーソナルで革新的なビジョン、モダンな舞台のコンセプトから、トラディショナルなバイラオールというよりはロックスターのような印象を与える。ホアキン・コルテスはデザイン・広告業界の注目を浴び、行く先々でマスメディアの中心となる。38歳の今、「Mi soledad(私の孤独)」で原点に返る。5月28・29日にはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで公開予定。 続きを読む

「バイレシューズを履いて生まれてきたのだと思う」

べレン・ロペス-バイレの星の闘い

正統で情熱的なフラメンコバイレのスター、べレン・ロペス。若干20歳、カタルーニャ出身のバイラオーラは長くときには辛いキャリアを持っている。5歳でカルメン・アマヤへのオマージュとして、アントニオ・エル・バイラリンの前で踊った。それ以降数々の賞を獲得し、数え切れないフェルティバルの舞台に立ってきた。少女期にしてすでにタブラオ、コラル・デ・ラ・モレリアの顔だった。このタブラオでブランカ・デル・レイに出会う。レイいわく「現在フラメンコダンスのパノラマで、べレン・ロペスほど潜在能力のある人物はいない」。今が正念場。自身の舞踊団で初の大舞台「Cuando Amanece(夜明けに)」を発表する。なおべレンは振付・監督・台詞を担当している。 続きを読む